連載第8回:間違った「フレックス選び」をしていませんか?

シャフトに書いてある「フレックス」とは?

ゴルフクラブのシャフトには「R」や「S」といったフレックスが書かれている。「R」はRegularの略で、「S」はStiffの略なのでそれより硬い。その中間に「SR」を設定しているモデルもある。一般的にヘッドスピードの速いゴルファーほど硬いシャフトが望ましいとされている。

 みなさんの中には自分には「S」が合っているだとか、「R」じゃないと打てないとか思っている方もいるかもしれないが、実はフレックス表記には基準が存在しないことはご存じだろうか。一口に「R」と言ってもその硬さは全く異なるのだ。世の中には「S」より硬い「R」というのもいくらでも存在する。

 それではシャフトのフレックスはどのように決められているのであろうか。まずシャフトが製品として完成したところで、専用の機械を使いシャフトの両側から力を加える。すると当然シャフトはたわむので、ある一定の力を加えたときに元の状態から何㎜シャフトがたわんでいるかを計測する。これを各メーカー、各モデルの基準のもとに、何㎜~何㎜までが「R」と表記されているのだ。

 ここで見落としていけないことは、シャフトのフレックスはシャフト単体で計測されているということだ。しかしシャフトはこの後、クラブに合わせて長さが切られ、ヘッドとシャフトが装着されて完成する。

ゴルファーは「シャフト」ではなく「クラブ」を振っている

同じシャフトでも装着されるヘッド・シャフト、そして組上がりの長さでしなり方は当然変わってしまう。しかし組みあがった状態での「クラブのフレックス」を表記する基準がないので、未だにシャフト単体でのフレックスが完成品にも表記されている。

かつてはこれでも不都合はなかった。パーシモンヘッドにスチールシャフトが挿さっていた時代は、ヘッド・グリップ・シャフトの重量も、ドライバーの長さというのもほとんど差がなかった。それが現代ではヘッド重量は170g~210g、グリップ重量は25g~60g、シャフト重量は30g~100g、クラブの長さも44インチ~48インチと非常にバリエーションが豊富になっている。

 ゴルファーが振っているものは、それぞれパーツの重量が決まり、組上がりの長さが決まった完成品の「クラブ」だ。

皆さんの中にはこんな経験をしたことがある方はいるだろうか。お気に入りのシャフトがあったので、それと同一のシャフトでヘッドだけ別の新しいモデルを購入したところ、どうも振ったフィーリングが元々持っていたものと違って振りづらくなってしまったという経験だ。これは何も珍しいことではない。ゴルファーの身によく起こる「失敗」の一つだ。

「黄色いシャフト」が業界の常識を打ち破る!?

「シャフトのフレックス」表記は長く業界の問題とされてきた。しかしそれに代わる表記方法が見つからず、メーカーは妥協して「シャフトのフレックス」表記を続けてきた。

PRGRというメーカーは、M-37、M-40といった具合に、ドライバーでのヘッドスピードを、シャフトを選ぶ基準として表記してきた。ところがここ数年はM-37(R)と従来の書き方を併記するようになってしまった。新しい表記に挑戦したものの、ゴルファーにとっては分かりづらいものだったということだ。

 「黄色いシャフト」はこれまでの業界の問題に挑戦している。「黄色いシャフト」試打会をやっていると、必ずゴルファーに聞かれる質問がある。「これは何グラムのシャフト?」「これSなの?」今まではこれでしかシャフトを選ぶことができなかった。

しかし「黄色いシャフト」はヘッド重量と、クラブ長、そして組みあがったバランスで、たった1本のシャフトが幅広いゴルファーに対応できる。下の表がその証拠の一例である。

疑いを持っている貴方はぜひ試打会に足を運んでほしい。歴史の証人になれるはずだ。

【企画・制作・編集】ゴルフパートナー 商品企画部 ネクスジェン開発チーム


開発者:櫻木 博公(さくらぎ ひろたか)

1944年生まれ。20年以上前からゴルフクラブの輸入、販売に携わる。その後、クラブデザイナーの竹林隆光氏との出会いをきっかけに革新的なクラブを開発。現在は、ゴルフパートナーの顧問として「ネクスジェン」のクラブ開発を行っている。