連載第7回:「やめられない、止まらない」EIFシャフト

一度使えば、もう手放せない「黄色いシャフト」

ネクスジェン6の発売以降も、衰えを見せないどころか逆に加速している「黄色いシャフト」の人気。ゴルフパートナーといえば中古ゴルフクラブのトップシェアを持つショップだが、「黄色いシャフト」を売りにくるゴルファーはどれほどいるのだろうか。

中古ショップでは常識だが、売れるクラブというのは買取も多い。話題になっているからという理由で手を出したものの、うまく使いきれないというゴルファーもいるのだ。ゼクシオだってM1だって誰でも飛距離が伸びるというわけではない。

ところが「黄色いシャフト」にリシャフトしたゴルファーは、まったくと言っていいほどこのシャフトを手放そうとしない。むしろ「リヘッド」をするゴルファーすらいるのである。つまり自分の好みのNBメーカーのドライバーに「黄色いシャフト」を挿したところ、「従来のシャフト」との違いに感動し、別のヘッドでも「黄色いシャフト」を試したくなるのだ。

シャフトがボールを飛ばす中心であるから、どんなヘッドに挿しても「黄色いシャフト」が最適な仕事をしてくれる。確かにこれまでに200近いモデルのドライバーに「黄色いシャフト」のリシャフト実績がある。

「従来のシャフト」で一生懸命ボールを叩いて飛ばしていたゴルファーが、ひとたび「黄色いシャフト」を手にすると、シャフトがボールを飛ばしてくれる感覚を覚えてしまう。すると途端に「従来のシャフト」が打てなくなってしまい、「黄色いシャフト」が手放せなくなるのだ。この兆候というのは、実は試打会から現れていた。

試打会では自分のドライバーを「黄色いシャフト」に挿し換え、元のシャフトと打ち比べをしてもらう。(簡単にシャフトが脱着できる最近のドライバーのおかげで「黄色いシャフト」が試しやすくなったものだ。)そこで数球「黄色いシャフト」を打っただけで、元のシャフトがまるでタイミングが取れず、打てなくなってしまう。慣れたはずの自分のクラブであるのに。そんなゴルファーを我々は何人も目にしている。

なぜ「黄色いシャフト」は手放せない?

「黄色いシャフト」は「従来のシャフト」と何がそんなに違うのか。もう少し詳しく「黄色いシャフト」の特長を紹介してみよう。

 シャフトのキックポイントというものを聞いたことがあるだろうか。よくカタログに書かれている「先調子」とか「元調子」とかいったものだ。これはシャフトのどの部分が最もしなりやすいのかを表している。「先調子」はシャフトの先端側(ヘッド側)のしなりが大きいシャフトということだが、実はこの調子というのはシャフト先端から400㎜前後の部分に、1インチ強の範囲内で「先・中・元」が設定されている。

 「黄色いシャフト」は「超手元調子」と表記されているが、これは本当にシャフトの手元部分が最も大きくしなるように設計されている。この超手元のしなりがタメを作り、飛ばしのエネルギーを蓄えてくれるのだ。そしてシャフト中間部に最高剛性がくることで、ためたパワーを一気にリリースしヘッドを走らせてくれる。

また従来のキックポイントがあった部分も剛性を硬くすることで、振り遅れによるスライスを防いでくれる。ダウンスイングの途中からシャフトが一気にしなり戻ってくる動きは、まるでシャフト自体が意思を持ち、勝手にボールを打ちに行ってくれているかのような感覚だ。

従来のしなるはずであった部分がしならず、しならないはずであった部分が大きくしなる。これが「従来のシャフト」と全く異なる「黄色いシャフト」の正体であり、シャフトが飛ばしのエネルギーを作ってくれる原理なのだ。

もちろんこれまでと全く異なるしなり方をするシャフトなので、それを違和感ととられかねない。「黄色いシャフト」には「870JD32」というモデルナンバーが記されているが、この末尾の32という数字は32番目の製品であることを示している。つまりしなり方の違いによる違和感を取り除くまでに31回の試行錯誤があり、ここまでたどり着いているのである。

1本のシャフトでいくつものクラブが作れる

「黄色いシャフト」にはRやSといったフレックスはないが、装着するヘッドと組み上げる長さによって、様々なゴルファーに対応することができる。これまでに受けた「黄色いシャフト」へのリシャフト注文でも、軽いヘッドは169.7gから重たいヘッドは207.3gというものまであった。力がなくヘッドスピードの遅いゴルファーであれば、軽いヘッド、軽いグリップで長めに組むといいだろう。力がありヘッドスピードの速いゴルファーは、逆に重たいヘッド、重たいグリップで短めに組むと重量感が手に伝わってくる。

力のあるゴルファーが軽いヘッドのものを振ると、物足りなさを感じてしまうだろう。鉛ほんの1gでもその差を弾道から感じ取れるというのは前回も述べたが、ヘッドをまるまる付け替えてしまうというゴルファーもいる。冒頭の「リヘッド」するゴルファーだ。

重たいヘッドに組み替えることで振りづらさは増すが、その分はクラブを短くすることで調整する。重たいヘッドでボールとの衝突エネルギーが大きくなり、シャフトのキック力も増して飛距離が伸ばせるのである。

「黄色いシャフト」はドライバーだけじゃない

ドライバーの飛距離を求めるのはゴルファーの性である。これは仕方ない。ゴルフボールより遠くに飛ぶボールは地球上にないのだから。しかしゴルフはドライバー1本だけでプレーできるものではない。「黄色いシャフト」にはフェアウェイウッド用やユーティリティ用のシャフトもあるが、単純にドライバー用を短くしただけではない。それ専用の設計がなされている。

ドライバーというのはシャフトも長く、セッティングの中で最も振りづらいクラブである。「黄色いシャフト」は手元の軟らかさと、中間の硬さの差を大きくすることで振りづらさを解消している。フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンと順にクラブは短くなるので、振りづらさが減る分シャフトも重く硬くなる。すると手元と中間の剛性差は減るが、シャフトのキック力が大きくなる。ヘッドを走らせボールを叩く力は、短いクラブの方が強いのである。

ドライバーよりフェアウェイウッド、フェアウェイウッドよりユーティリティ、ユーティリティよりアイアンと、実は「黄色いシャフト」は短いクラブの方がシャフトの特長は強く表れている。だから「黄色いシャフト」の性能を最も感じ取れるのは、アイアンなのである。

 

「黄色いシャフト」でドライバーの飛距離が伸びることを体験したゴルファーには、ぜひフェアウェイウッド、ユーティリティ、そしてアイアンを手にしてもらいたい。ドライバー以上に「黄色いシャフト」と「従来のシャフト」の違いを感じてもらえるはずだ。

2,000本を超えた「黄色いシャフト」の注文も、実はリピーターに支えられているのである。

【企画・制作・編集】ゴルフパートナー 商品企画部 ネクスジェン開発チーム


開発者:櫻木 博公(さくらぎ ひろたか)

1944年生まれ。20年以上前からゴルフクラブの輸入、販売に携わる。その後、クラブデザイナーの竹林隆光氏との出会いをきっかけに革新的なクラブを開発。現在は、ゴルフパートナーの顧問として「ネクスジェン」のクラブ開発を行っている。